心象風景の画家 瀬木慎一
仁科恵実は、在るものを見えるように描く画家ではありません。
そのように描く画家はたしかに居りますが、彼女はそれとはまったく反対に、在って見えるものから触発される思いを描く画家なのです。そしてその「思い」こそが絵のテーマになっています。
現に在って見えるものを見ているうちに、それが、いろいろなものに変化していき、在るものとは異なるものになり、それが在るもの以上に何かを語ることになった時、一点の絵は絵になるのです。
その絵は作者の思いを表現しているのですから、一種の代辯者であり、色と形、それに動きと時間を加えて、見る人人に「思い」をヴィジュアルに伝えるのです。
言うならば、 それは作者の「心象風景」です。それに向かって、皆さんも、自分の中から湧く思いをぶつけてみてください。かならず交感の閃光が生じるでしょう。 |